こんにちは。
加須市の神澤歯科医院です。
大切なお子さまには、健康で丈夫に育ってほしいものですよね。
お口は食べものから栄養を摂るためにとても重要な役割を果たしており、歯の健康は子どもの成長に欠かせません。
子どもの歯の大敵である「むし歯」ですが、近年は減少傾向にあります。
たとえば9歳の子では、むし歯を経験した歯の本数(DMFT指数)が11年前とくらべて4分の1に減少しているのです。
しかし、むし歯は学校検診で一番多く見つかる病気であり、5~14歳の子の約3人に1人がむし歯を有しています。
まだまだ、むし歯はお子さまにとって油断できない病気といえるでしょう。
(参照:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要-p7,8,11」より)>
特に、乳歯は歯の表面がやわらかくむし歯になりやすいため、症状の進行も早い特徴があります。
お子さまをむし歯から守るためには、毎日の歯磨きはもちろん、歯科医院での「フッ素塗布」が効果的です。
このコラムでは、「フッ素塗布のむし歯予防効果」をご紹介します。
神澤 紀雄 院長
日本大学松戸歯学部 卒業
フッ素塗布とは、歯科医院で行われる処置のひとつで、フッ化物(リン酸酸性フッ化ナトリウム・フッ化ナトリウム)を歯の表面に塗布するむし歯予防法です。
市販の歯磨き粉にもフッ化物は含まれていますが、濃度が低く(1500ppmF以下)、歯医者で使用するものは濃度が高い(9000ppmF)という特徴があります。
フッ化物によるむし歯予防効果は濃度に依存し、1000ppmF以上では500ppmF上がるごとに、予防効果が6%上昇します。
そのため、歯科医院でのフッ素塗布は、高いむし歯予防効果が期待できるのです。
(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「フッ化物配合歯磨剤」より)>
(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「フッ化物歯面塗布」より)>
ここからは、フッ素塗布がどのようにして歯を強くし、むし歯を予防するのかを詳しく見てみましょう。
むし歯菌が作り出す酸によって歯が溶けることを、「脱灰(だっかい)」といいます。
脱灰により歯の表面からカルシウムやリン酸などのミネラルが唾液中に溶け出し、やがてむし歯になってしまうのです。
しかし、歯には「再石灰化」という再生能力があります。
再石灰化とは、唾液中に溶け出したミネラルを歯に再吸収させ、もろくなった歯のエナメル質を強くする作用です。
フッ化物には、歯の再石灰化を促進させる働きがあり、初期のむし歯を修復することができます。
ただし、進行したむし歯は、再石灰化によって修復されることはありません。
乳歯のむし歯は永久歯よりも悪化するスピードが早いため、日ごろの予防がとても大切です。
フッ化物が歯の表面のエナメル質と結合することで、「フルオロアパタイト」や「フッ化ハイドロキシアパタイト」という物質ができます。
これらは、むし歯菌が作る酸に抵抗性を示すため、むし歯になりにくい強い歯になるのです。
特に、乳歯のエナメル質は永久歯よりもやわらかく、むし歯になりやすいため、フッ素塗布で酸への抵抗力を高めましょう。
フッ化物には、むし歯菌が増殖するための代謝を阻害する効果があります。
お口の中をむし歯の原因となる細菌が増えにくい環境に整えることができるため、むし歯予防につながるのです。
このように、フッ素塗布は、
という2つのアプローチでむし歯を予防します。
むし歯を効率的に予防できるため、お子さまの強い味方になるでしょう。
フッ素塗布を開始するタイミングは、一般的に乳歯が生えはじめたころがよいといわれています。
乳歯が生える年齢には個人差がありますが、生後6ヶ月ころから下の前歯が生えてきますので、タイミングを見て当院までお越しください。
「そんなに小さいうちに歯医者にいって大丈夫?」と心配されるかもしれませんね。
ですが、まったく心配いりません。
当院では、お子さまのペースに合わせて、ゆっくり治療や処置を進めていきます。
泣いているお子さまのお口を無理に開けさせるようなことは、決してありませんのでご安心ください。
また、子どもの人見知りは一般的に1歳ごろからはじまります。
それよりも前に歯医者デビューすることによって、お子さまの抵抗感が少ない状態で歯医者に慣れることができるのです。
フッ素塗布は、すべての世代の方でむし歯を予防する効果が期待できますが、特に乳歯で高い予防効果があることがわかっています。
乳幼児に対して、定期的にフッ素塗布を継続した場合、むし歯をほぼ半減させたという報告があるのです。
(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「フッ化物歯面塗布」より)>
ただし、フッ素塗布を1回受けただけでは効果は得られません。
年に2回以上、継続して受ける必要があるため、定期的に歯医者を受診する習慣をつけましょう。
フッ素塗布に年齢制限はありません。
すべての世代の方でむし歯予防に有用とされ、永久歯に対する予防効果は、20~30%程度といわれています。
(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「フッ化物歯面塗布」より)>
お子さまの受診と合わせて、ご家族の皆さまも歯科検診を受けませんか?
当院の定期検診では、むし歯や歯周病のチェックを行い、セルフケアでは落とせない汚れを徹底的にクリーニングいたします。
もちろんフッ素塗布も可能ですので、ご家族で一緒にむし歯予防をはじめましょう。
フッ素塗布を受けた後は、次の点に気を付けましょう。
フッ素塗布を受けたからといって、必ずむし歯にならないわけではありません。
むし歯予防の基本は、毎日の歯磨きです。
丁寧な仕上げ磨きを心がけ、お子さまのお口をむし歯菌が少ない状態に保ちましょう。
また、定期的なフッ素塗布を忘れずに受けるために、次回の受診予約をしておくことをおすすめします。
保護者の方であれば、お子さまのお口の中に入るものの安全性は気になりますよね。
その点、フッ素は化学合成されたものではなく、天然の成分です。
地球上のすべての動物や植物にも含まれており、皆さまが毎日口にする食材にも含まれています。
フッ素は、自然界に広く分布する身近な成分なのです。
フッ化物の研究は50年以上の長い歴史があり、多くの研究で有効性・安全性が証明されています。
現在では、WHO(世界保健機関)やFDI(国際歯科連盟)などの国際機関が利用を推奨しており、世界の約120ヶ国で利用されています。
(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「フッ化物利用(概論)」より)>
フッ素塗布を健康な歯に行う場合、年齢に関係なく基本的には自由診療となります。
保険適用にならない理由としては、むし歯の治療ではなく予防が目的となるためです。
しかし、自由診療といってもそれほど高額になることはありません。
一度むし歯になってしまった場合の治療費を考慮すると、フッ素塗布は比較的コストパフォーマンスのよい予防法といえるでしょう。
また、小児歯科においては、次の条件に当てはまるとフッ素塗布が保険適用になることがあります。
治療費用に関してご質問がございましたら、気軽にスタッフまでお尋ねください。
子どもの歯はむし歯に弱いため、適切なケアが大切です。
日ごろの仕上げ磨きと歯科医院でのフッ素塗布を組み合わせて、効果的にむし歯を予防しましょう。
加須市にある【神澤歯科医院】は、親子3代にわたって地域の子どもたちのお口の健康を見守ってきました。
一般歯科から矯正歯科まで幅広い歯科診療を提供しており、「生涯のかかりつけ医」としてお子さまの成長をサポートいたします。
院内はバリアフリー設計で、ベビーカーをご利用の方もそのままお入りいただけます。
土曜も診療しているため、忙しい子育て世代の方も通いやすい歯医者です。
詳しい診療時間は、トップページをご確認ください。
当院は、東武伊勢崎線「加須駅」から徒歩2分、加須循環バス「加須駅南口停留所」からも徒歩2分とアクセスが大変便利です。
駐車場は20台分完備しており、お車でもお越しいただけます。
一度むし歯になって穴が開いた歯は、二度と元には戻らないため、予防が重要です。
お子さまはもちろん、保護者の方も当院のフッ素塗布をむし歯予防にご活用ください。
また、当院では子どもの奥歯のむし歯予防として「シーラント」治療も行っています。
フッ素塗布とシーラントを組み合わせることで、より高いむし歯予防効果を発揮しますので、ご希望の方はぜひ当院までお越しください。
2024.11.15 [金]
2024.07.15 [月]
2024.05.15 [水]