こんにちは。
加須市の神澤歯科医院です。
お子さまはどのような食事がお好きですか?
おやつには、どのようなものをどれくらい食べていますか?
食事やおやつはお子さまにとって、心と身体の栄養を補給する大切な時間です。
楽しみながら、発育に必要な栄養素をバランスよく摂取できるように心がけましょう。
また、栄養バランスに加えて、むし歯に負けない強い歯を作ることを意識したメニューを取り入れるのがおすすめです。
神澤 紀雄 院長
日本大学松戸歯学部 卒業歯は、
・エナメル質
・象牙質
・セメント質
・歯髄(歯の神経)
で構成されています。
歯は身体の中にある臓器のなかで、もっとも硬いとされていますが、むし歯菌が作り出す「酸」には弱いのが特徴です。
また、歯は髪の毛や皮膚のように再生することはありません。
そのため、「酸」に簡単に溶かされない強くて丈夫な歯を作ることが大切です。
むし歯は、
・歯垢などに棲みついているむし歯菌
・むし歯菌のエサとなる「糖」
・むし歯菌が出す酸に溶かされやすい歯質
が揃ったときに発生します。
お口の中に棲みついているむし歯菌が、食べものや飲みものに含まれている「糖」をエサにして「酸」を作り出し、歯の表面を覆っているエナメル質を溶かすのがむし歯のはじまりです。
むし歯菌や「糖」がお口に溜まらないようにすることはもちろん大切ですが、歯そのものを強くて丈夫にすることで、むし歯になりにくくすることができます。
丈夫で強い歯にするためには、毎日の歯磨きや歯科医院で行うフッ素塗布が効果的ですが、それ以外にも、口から摂る栄養素も非常に重要です。
つまり、毎日の食事やおやつの選び方が、健康なお口につながるのです。
では、強い歯を作るためにどのような栄養素を摂取するのがいいのでしょうか。
歯を構成している主な成分は、リン酸カルシウムです。
とはいえ、カルシウムが不足しているからといって、すぐに歯が脆くなることはありません。
けれども、成長期に十分な量のカルシウムが摂取できないと、歯そのものが弱くなる可能性があります。
また、カルシウムには、むし歯菌によって溶かされたミネラルの一部を元に戻す「再石灰化」を助ける働きがあります。
カルシウムが不足している状態では、「再石灰化」がスムーズに進まず、むし歯になるリスクが高まるのです。
さらに、歯だけでなく骨もリン酸カルシウムを主成分にしています。
カルシウムを摂取することは歯だけでなく顎の骨にもよい影響を及ぼします。
カルシウムだけでは、強い歯を作ることはできません。
良質なタンパク質は、歯ぐきをよい状態に
導きます。
歯の土台となる骨は、筋状のタンパク質にカルシウムが付着することで強くなります。
しっかりと歯を支えるためにも、タンパク質は欠かせない栄養素です。
もちろんお口周りだけでなく、全身の筋肉や骨の形成を促します。
タンパク質が不足すると、筋肉量が低下し、運動機能が低下する恐れがあります。
ビタミンAには、エナメル質を強化する
働きがあります。
ビタミンCには象牙質の発育を促す作用があり、どちらも強い歯を作るためには欠かせない栄養素です。
また、ビタミンBやビタミンDには、カルシウムとタンパク質の結びつきを強くしたり、カルシウムやタンパク質の吸収を助けたりする働きがありますので、積極的に摂るように心がけましょう。
栄養素を単体で摂るよりも、組み合わせて摂ることで吸収率が上がることがあります。
ビタミンDには、カルシウムの吸収を高める役割があります。
カルシウムを多く含む食品は
・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)
・魚介類(小魚、小エビなど)
・野菜(モロヘイヤ、小松菜、水菜など)
・大豆製品(厚揚げ、豆腐、納豆など)
です。
ビタミンDは、
・卵
・魚類(鮭、さんまなど)
・キノコ類(干しシイタケ、きくらげなど)
などに多く含まれています。
また、日光を浴びることで体内で生成されるとされています。
カルシウムとビタミンDを同時に摂取できるメニューで、お子さまにおすすめなのが、
・鮭とキノコのクリームシチュー
・厚揚げの野菜と干しエビのあんかけ
・チーズと納豆のオムレツ
などです。
タンパク質はビタミンCを一緒に摂ると、歯ぐきの成分であるコラーゲンの生成が促されます。
タンパク質は、
・肉類(ささみ、豚肉、牛肉など)
・魚介類(まぐろ、かつお、ぶりなど)
・卵類
・大豆製品(豆腐、納豆など)
・乳製品(ヨーグルト、チーズ、牛乳など)
に多く含まれています。
ビタミンCを多く含むのは
・果物(いちご、キウイフルーツなど)
・野菜類(レモン、ブロッコリー、パプリカなど)
です。
ヨーグルトを食べるときはフルーツをいれると、タンパク質とビタミンCを同時に摂取できておすすめです。
肉類や魚類がメインになるときには、副菜としてブロッコリーやピーマンなどのおかずを添えましょう。
また、ビタミンBはタンパク質の分解を助ける働きがあります。
ビタミンBは
・魚介類(うなぎ、しらすなど)
・野菜(ほうれん草、モロヘイヤ、じゃがいも)
などに含まれています。
・ほうれん草の卵とじ
・じゃがいもとブロッコリーとささみのグラタン
といったメニューであれば、野菜や肉類が苦手なお子さまも効率的にタンパク質を摂取できます。
ビタミン類は合わせて摂ることで相乗効果が生まれます。
ビタミンAは、
・野菜類(にんじん、パセリ)
・海藻類(わかめ、海苔)
などに多く含まれています。
ビタミンEを多く含むのは、
・野菜類(かぼちゃ、オリーブ)
・ナッツ類
です。
さまざまな食材を使って彩りのよいメニューを心がけましょう。
成長期のお子さまにおすすめのメニューをご紹介しましたが、お子さまは一度に食べられる量が少なく、3回の食事だけでは十分に栄養が摂取できていないことがあります。
不足しがちな栄養素は、おやつで補うようにしましょう。
おやつは第4の食事ともいわれています。
とはいえ、おやつはお子さまにとって、一日の中でも特別な時間ですよね。
おやつを楽しみにしているお子さまも多いのではないでしょうか。
おやつは、気分転換やリフレッシュの役割もあり、また親子のコミュニケーションの時間でもあります。
お子さまも保護者の方も楽しめるような、おすすめのおやつを紹介します。
カルシウムが不足しているなと感じたら、
・チーズ
・ナッツ類
・牛乳
をおやつに追加しましょう。
チーズやナッツ類は常備しておけば、すぐに出せるのでおすすめです。
飲みものはジュースではなく牛乳にすることで、糖分の摂取量を抑えられて、カルシウムを補うことができます。
・青菜としらすを混ぜたおにぎり
・じゃがいもとチーズのおやき
などをおやつに食べれば、炭水化物を同時に摂取できるので、夕方からも元気いっぱい過ごせます。
タンパク質を補いたいときは
・きなこヨーグルト
・豆乳プリン
などがおすすめです。
・ゆで卵とピーマンをのせたピザトースト
・カステラ
・バナナ入りパンケーキ
などは腹持ちもよく、成長期のお子さまにぴったりです。
甘いものをほしがるときは、旬の果物やさつまいもなど、自然な甘みを楽しめるものを選べば、満足感が上がるだけでなく、ビタミンを補うことができます。
バナナは栄養価が高く、ビタミンも豊富に含みます。
・果物をいれた牛乳寒天
・バナナケーキ
など、お子さまと一緒に作るのもおすすめです。
食事やおやつは何を食べるかだけでなく、どう食べるかも重要です。
「1口30回」を目安に、よく噛む習慣を身に付けましょう。
(参考:厚生労働省 「歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書(概要)」より) >
しっかりと噛むことで、唾液が分泌されます。
唾液には、
・お口の中の汚れを洗い流す
・再石灰化を促す
働きがあり、むし歯予防に必要不可欠です。
また、しっかりと咀嚼(そしゃく)してから飲み込むことで、胃や腸への負担を軽減できます。
栄養の吸収率も高まります。
ダラダラ食べたり、ちょこちょこ食べたりしていませんか。
お口の中に食べものが入ると、酸性に傾きます。
食事が終わると、唾液の働きで酸性から中性へと変わります。
ダラダラと長時間食べていたり、ちょこちょことお口の中に食べものが入ったりすると、酸性の時間が長くなり、むし歯になるリスクが高まるのです。
食事やおやつは、
・時間が決めたら終わる
・ながら食べはしない
ことを心がけましょう。
「食べたら磨く」が基本です。
お口の中に残った食べカスは食後8時間程度で歯垢(プラーク)に変わります。
プラーク1mgの中には、およそ300種類1億個ものの細菌が存在しています。
(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「プラーク(歯垢)」より) >
プラークが増殖する前に、できるだけ早く食べカスを取り除くことが大切です。
お子さまだけでなく、保護者の方も一緒に磨くようにしましょう。
永久歯へ生え変わるまでは、仕上げ磨きも継続してください。
乳歯はやわらかいため、むし歯になりやすく、あっという間に進行することがわかっています。
一度むし歯になると、自然に治ることはなく段階的に進行し、後から生えてくる永久歯にも悪い影響を及ぼします。
むし歯になりにくいお口を作る食事やおやつを取り入れて、丈夫な歯を作りましょう。
加須市の「神澤歯科医院」は、お子さまからシニア世代の方まで、通いやすい工夫をしていますので、ご家族皆さまでお越しください。
20台停められる広い駐車場を完備しており、駐車場から院内までは、スロープをご利用いただけるバリアフリー設計で、ベビーカーをご利用の方もスムーズにお入りいただけます。
東武伊勢崎線「加須」駅から徒歩2分と駅からも近く、電車での通院も便利です。
土曜は17時まで・平日は18時まで診療しています(2023年11月現在)。
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