こんにちは。
加須市の神澤歯科医院です。
歯周病のことを「ただの歯ぐきの病気」と思っていませんか?
じつは、歯周病は、全身の健康にも影響することがわかっています。
神澤 紀雄 院長
普段から健康に気をつかっている方でも、歯周病は意外に見過ごしているかもしれませんね。
歯周病を予防することで、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気のリスクを下げる効果も期待できます。
今回は、「歯周病と全身疾患の関係」と「効果的な歯周病予防」についてお話しします。
医院名:神澤歯科医院
所在地: 〒347-0045
埼玉県加須市富士見町7−41
歯周病は、全身の健康にさまざまな影響を与えることがわかっています。
ここでは、歯周病と関連性がある病気について解説します。
心筋梗塞とは、心臓に栄養を送っている血管が詰まることで発症する、命に関わる病気です。
心筋梗塞のリスクは、動脈硬化によって血管が狭くなることで高まります。
動脈硬化は、バランスの悪い食生活や加齢などの影響で進行しますが、歯周病が関係していることもわかっているのです。
歯周病の原因菌がお口の血管から侵入すると、血管内で毒素を産生します。
この毒素が血管に炎症を引き起こし、動脈硬化の原因になることがあるのです。
歯周病の影響で動脈硬化が進行すると、心臓の血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞を引き起こす可能性があります。
脳梗塞は、脳の血管が詰まる病気です。
脳梗塞は心筋梗塞と同じように、動脈硬化が進行することで発症するリスクが高まります。
そのため、歯周病と脳梗塞は密接に関係しているといえるのです。
特に、高血圧や脂質異常症をお持ちの方は、より高い動脈硬化のリスクがあります。
糖尿病は、血糖値を下げる「インスリン」というホルモンの働きが低下し、血液中を流れるブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。
歯周病と糖尿病は、相互に深く影響し合うことが知られています。
歯周病菌が作り出す炎症物質は、インスリンの働きを阻害するため、糖尿病を悪化させるのです。
さらに、糖尿病になると免疫機能が低下することから、歯周病にかかりやすくなります。
このように、歯周病と糖尿病には相互作用があるため、歯周病の治療をすることで、糖尿病の血糖コントロールが改善することがわかっているのです。
誤嚥(ごえん)性肺炎とは、誤って飲み込んだ食べものや唾液が、気管に入り込むことで発症する肺炎の一種です。
誤嚥(ごえん)性肺炎は、飲み込む力が弱くなるシニア世代に多い傾向があり、日本人の死因の第6位の病気です。
参照:厚生労働省|令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況「結果の概要」p10>
誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であるとされています。
そのため、歯周病を予防しお口の中を清潔に保つことで、肺炎のリスクを下げる効果が期待できるのです。
骨粗しょう症とは、骨の量が減ってしまい、骨折しやすくなる病気です。
骨粗しょう症は、閉経後の女性に多く見られるのですが、これにはエストロゲンという女性ホルモンが影響しています。
エストロゲンは骨の代謝に関わっているため、エストロゲンの分泌量が減少すると、全身の骨がもろくなるのです。
エストロゲンの欠乏は、歯を支える歯槽骨にも影響するため、歯槽骨がもろくなり歯周病が進行しやすくなると考えられています。
そのため、閉経後の女性は、骨粗しょう症と歯周病のリスクが同時に増加するといえるでしょう。
認知症でもっとも多いタイプが、アルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー型認知症の発症には、アミロイドβという物質が深く関係しています。
近年の研究で、歯周病菌が脳内へのアミロイドβの取り込みを促進し、認知症を悪化させる可能性があることがわかりました。
参考:九州大学|歯周病菌感染は全身の脳老人斑成分を脳内輸入させる>
歯周病を予防することで、将来、認知症にかかるリスクを低減できる可能性があります。
詳しいメカニズムは解明されていませんが、歯周病とメタボリックシンドロームの関連性が指摘されています。
メタボリックシンドロームは、食生活や運動習慣の乱れが深く関わる生活習慣病ですが、歯周病も生活習慣病の一つといえるのです。
そのため、歯周病とメタボリックシンドロームは、お互いに悪い影響を与えあっていると考えられます。
新型コロナウイルス感染症の重症化リスクは、シニア世代で高いという研究結果がありますが、歯周病も重症化させる要因の一つであると考えられています。
歯周病がある人とない人の新型コロナウイルス感染症の重症化率をくらべた結果、歯周病がある人の方が重症化率が6倍近く高かったのです。
参照:J-STAGE|川崎高津診療所紀要「歯周病と全身疾患」p143 >
妊娠中は女性ホルモンの影響で、歯周病菌がお口の中で増えやすくなることがわかっています。
また、つわりの影響で歯磨きが十分にできないケースもあり、歯周病にかかるリスクが高まるのです。
妊娠中の方が歯周病にかかると、早産のリスクが約2倍、低出生体重児の出産リスクが2.2倍高まるというデータがあります。
赤ちゃんの健康を守るためにも、妊娠中は歯科検診を受けるようにしましょう。
参照:厚生労働省|妊産婦における 口腔健康管理の重要性「早産・低体重児出産のエビデンス」p5>
歯周病を予防するためには、歯周病を正しく理解することが重要です。
ここからは、歯周病のポイントについて、わかりやすく解説します。
歯周病のおもな原因は、磨き残した歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌のかたまりです。
歯垢が歯と歯ぐきの間にたまることで、歯垢の中で細菌が繁殖し炎症が広がります。
炎症が歯ぐきから歯を支える歯槽骨まで進行すると、歯槽骨を溶かしてしまい、最悪の場合歯が抜け落ちてしまうのです。
歯周病は、初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。
気付いたときには歯周病が進行していることもめずらしくないため、日ごろからのセルフチェックが重要です。
これらの症状が見られた場合は、歯周病が進行している可能性があるため、早めに当院までお越しください。
歯周病は、適切なケアを行うことで予防できる病気です。
ここでは、日常生活で実践してほしい予防法をご紹介します。
歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きです。
歯と歯ぐきの境目を意識して、丁寧に磨きましょう。
また、歯間ブラシやデンタルフロスを活用することで、歯と歯のすき間の汚れも効率的に落とすことができます。
不規則な食生活や過度なストレスは、歯周病を悪化させる原因となります。
栄養バランスのとれた食事を心がけ、適度な運動によってストレスを解消するのもよいでしょう。
また、タバコを吸う方は歯周病のリスクが3倍以上増加することがわかっていますので、歯の健康のためにも禁煙することをおすすめします。
セルフケアだけで、すべての歯垢を落とすことは困難です。
磨き残した歯垢や歯石を取り除くために、定期的に歯科医院でプロによるクリーニングを受けましょう。
歯科医院では、専用の器具を使用することで、歯磨きでは落とせない汚れを徹底的に取り除きます。
また、歯科検診では、歯周病の早期発見・早期治療のために、歯周病の検査を実施します。
万が一、歯周病にかかっていたとしても、症状の進行を防ぐことにつながるのです。
歯周病は、歯や歯ぐきの問題にとどまらず、全身の健康にも影響する病気です。
歯周病を予防することは、お口の健康を守るだけでなく、全身の健康を考える上でも非常に重要といえます。
【神澤歯科医院】は、親子3代にわたって加須市の「かかりつけ歯科医」として、地域の皆さまの健康をサポートしてきました。
当院は、東武伊勢崎線「加須駅」、加須循環バス「加須駅南口停留所」からそれぞれ徒歩2分ですので、定期的に通いやすい歯医者です。
歯科検診を通じて、患者さまの健康作りをサポートいたします。
院内はバリアフリー設計で、すべての世代の方が快適に通院できる環境を整えています。
駐車スペースを20台分ご用意しておりますので、お車でのご来院も可能です。
「いつまでも自分の歯で食べたい」「健康な身体を維持したい」という方は、ぜひ当院の歯科検診にお越しください。
2024.06.15 [土]
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