インプラント周囲炎とは?予防のために知っておきたいケア・メンテナンスの話
こんにちは。
加須市の神澤歯科医院です。
インプラントは失った歯を補う治療法の一つで、噛み心地のよさや耐久性の高さから多くの方に選ばれています。
実際にインプラントの寿命は長く、10~15年後の残存率は上顎で約90%、下顎で約94%です。
また、患者さまを対象に行ったアンケート調査では、インプラント治療後20年経っても使用できているという回答が一番多く見られました。
(参照:厚生労働省委託事業「歯科インプラント治療のためのQ&A」p3より)>
(参照:厚生労働省|歯科インプラント治療指針「13.歯科インプラント治療と予知性」p13より)>
インプラントは、治療後も適切なケアとメンテナンスを継続することで、長期間使用することができます。
ただし、歯磨きが不十分であったり、定期検診を受けなかったりするとトラブルを引き起こすこともあるのです。
中でも、インプラント治療後に注意が必要なものの一つに「インプラント周囲炎」があります。
インプラント周囲炎の原因と予防法を知ることで、インプラントを長く快適に使用しましょう。
神澤 紀雄 院長
日本大学松戸歯学部 卒業医院名:神澤歯科医院
所在地: 〒347-0045
埼玉県加須市富士見町7−41
インプラント周囲炎は「インプラントに起こる歯周病」

インプラント周囲炎は、磨き残した歯垢(プラーク)が原因となり、インプラントの周辺に炎症が広がる病気です。
天然歯に起こる歯周病とよく似ており、インプラント周囲炎が進行するとインプラントを支えている骨が溶けてしまうことがあります。
インプラントと天然歯の大きな違いは、歯根膜の有無です。
歯根膜とは、歯と顎の骨の間にある膜状の組織で、歯を支えるクッションの役割があります。
歯根膜には歯と歯ぐきの間に細菌が侵入するのを防ぐ機能もあるため、歯根膜を持たないインプラントと歯ぐきの間には細菌が侵入しやすいのです。
そのため、インプラントの周辺はより丁寧にケアを行い、細菌が繁殖するのを予防する必要があります。
インプラント周囲炎の症状

インプラントの周辺に炎症がどのように広がるのか、具体的な症状を見てみましょう。
インプラント周囲粘膜炎
炎症の初期段階では、インプラント周囲の粘膜にのみ症状が現れます。
歯ぐきが赤く腫れ、歯ぐきから軽い出血が見られることはありますが、まだインプラントを支える骨にダメージはありません。
インプラント周囲粘膜炎は痛みを感じにくい特徴があり、気付かないうちに症状が進行するため注意が必要です。
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎は、炎症が粘膜だけでなくインプラントを支える骨にも広がった状態です。
ここまで炎症が広がると、インプラントを支える歯槽骨が溶けはじめます。
インプラント周囲炎が進行するリスクとは?
インプラント周囲炎の症状が進行して歯槽骨が溶けはじめると、インプラントにグラつきが生じ、最悪の場合、インプラントが抜け落ちてしまいます。
重度のインプラント周囲炎は治療が困難であるケースも多いため、症状が進行する前に治療することが重要です。
インプラント周囲炎を予防するためには、日ごろから歯磨きを丁寧に行い、お口の中を清潔に保つ必要があります。
インプラント周囲炎になる原因は?
インプラント周囲炎は、さまざまな要因が影響しあうことで発症します。
インプラント周囲炎のリスクを上げる原因を理解して、予防につなげることが大切です。
磨き残した歯垢による炎症

インプラント周囲炎の直接的な原因は、歯垢をエサに細菌が繁殖することで生じる炎症です。
インプラントと歯の間にたまった歯垢は歯磨きだけでは落としにくいため、磨き残した歯垢が細菌の温床になります。
また、お口の中に長時間残っている歯垢は、2週間程度で歯石に変化します。
歯石はとても硬いため、歯磨きで落とすことはほぼ不可能です。
ザラザラした歯石の周りには、さらに歯垢が蓄積しやすくなるため、ますます症状が進行してしまいます。
かみ合わせの乱れ

インプラント治療後にかみ合わせのバランスが崩れてしまうと、インプラントに過度な負荷がかかり、炎症の原因になることがあります。
噛むたびに歯ぐきや顎の骨にダメージが蓄積していくことで、インプラント周囲炎のリスクが上がってしまうのです。
特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は無意識に大きな力がかかるため、マウスピースを装着するなどの対策が必要になるでしょう。
糖尿病

持病に糖尿病がある方は、免疫機能が低下しており、歯周病菌に感染しやすくなります。
炎症が広がるスピードも早くなるため、インプラント周囲炎が悪化するリスクが高まるのです。
糖尿病をお持ちの方がインプラント治療を受ける場合には、血糖値をしっかりコントロールできていることが前提になります。
歯科だけでなく、内科との連携も必要になりますので、まずは一度ご相談ください。
喫煙

タバコに含まれるタールやニコチンには血管を収縮させる作用があり、歯ぐきの血流を悪くします。
歯ぐきに十分な栄養や酸素が届きにくくなるため、歯周病が進行しやすくなるのです。
また、血流が悪くなると傷の治りが遅くなります。
そのため、喫煙者は非喫煙者とくらべて、インプラント手術後の回復が遅くなることがわかっています。
インプラント治療の成功率を上げ、寿命をのばすために、禁煙は有効な対策の一つです。
お口の健康のためにも、禁煙を検討してみましょう。
インプラント周囲炎を予防するためのケア・メンテナンス
インプラント周囲炎を予防するためには、毎日のケアと歯科医院での定期メンテナンスが欠かせません。
ここからは、ケアとメンテナンスのポイントを解説します。
自宅でのセルフケア

インプラントは固定式で1本1本が独立した義歯であるため、天然歯と同じように清掃することが可能です。
丁寧な歯磨きや補助清掃用具を活用することで、お口の中を清潔に保ちましょう。
正しい歯磨き
インプラント周囲炎の予防の基本は、歯周病やむし歯と同じように毎日の歯磨きです。
天然歯と同じようにインプラントも1本ずつ丁寧に磨いてください。
インプラント周囲炎の原因となる歯垢は、歯と歯の間や歯と歯ぐきの間、奥歯の溝などにたまりやすくなっています。
これらの箇所を意識して磨くと、より効率的に汚れを落とすことができます。
また、寝ている間は唾液の分泌量が減少するため、お口の中で細菌が増えやすい環境です。
インプラント周囲炎を予防するためにも、就寝前の歯磨きは忘れずに行いましょう。
デンタルフロス・歯間ブラシの活用
歯と歯の間の細かい歯垢は、歯ブラシだけできれいに取り除くことはできません。
歯とインプラントの間も同様で、歯ブラシのみの清掃では4割程度の汚れが残ってしまいます。
歯と歯の間の汚れを除去するためは、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が効果的です。
これらの清掃補助具を活用することで、歯と歯の間の汚れを8割以上取り除くことができます。
(参照:神奈川県 今日から始めるすき間ケア「毎日のむし歯・歯周病対策」より)>
歯科医院の定期メンテナンス

インプラントの寿命をのばすためには、毎日のケアに加えて、歯科医院での定期メンテナンスも欠かせません。
セルフケアだけでは取り除けない汚れや、インプラントの状態をしっかり確認するためにも、プロのメンテナンスが重要です。
インプラントの状態・かみ合わせのチェック
歯科医院の定期メンテナンスでは、インプラントの状態やかみ合わせのチェックを行います。
インプラントに不具合があったり、歯ぐきに炎症が見られたりする場合は、早期に適切な治療を行うことで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
日常生活でインプラントに違和感が出た際には、次回の検診を待たずに早めにご相談ください。
お口のクリーニング
セルフケアだけでは、どうしても取り切れない汚れが残ってしまいます。
定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、セルフケアでは落としきれない歯垢や歯石を徹底的に除去することが可能です。
歯科医師や歯科衛生士がインプラントや歯ぐきを傷つけないよう、丁寧に清掃を行います。
歯垢や歯石はインプラント周囲炎の大敵です。
プロのクリーニングでお口の中を清潔に保ちましょう。
歯磨き指導
正しい歯磨き方法を身につけることは、インプラント周囲炎の予防にとても重要です。
歯科医院では、患者さまお一人お一人の歯並びや歯磨きの癖を見極めることで、より効果的なブラッシング方法をお伝えいたします。
適切な歯ブラシや歯間ブラシなどの選び方もアドバイスしますので、ぜひ毎日のセルフケアにお役立てください。
正しいケアとメンテナンスでインプラント周囲炎を予防しましょう

インプラント周囲炎を予防するためには、セルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。
治療後のケアを適切に行うことで、インプラントは長く快適に使用することが可能です。
加須市の【神澤歯科医院】は、インプラント治療後のメンテナンスにも力を入れています。
お口のクリーニングや歯磨き指導はもちろん、「CT・デジタルレントゲン」で定期的にインプラントや顎の骨の状態を確認することが可能です。
充実した設備で患者さまのインプラント生活を全面的にサポートいたします。
インプラントに関する相談会を定期的に開催しておりますので、治療をご希望の方はお気軽にご相談ください。
当院は、東武伊勢崎線「加須駅」、加須循環バス「加須駅南口停留所」からそれぞれ徒歩2分の歯医者です。
駐車場は20台分完備していますので、お車でもお越しいただけます。
