こんにちは。
加須市の神澤歯科医院です。
3歳の子どものむし歯は、1985年には平均2.9本ありましたが、1998年には平均1.8本と減少傾向にあります。
しかし、子どもは大人よりもむし歯になりやすい特徴があるため、油断は禁物です。
むし歯予防は毎日の歯磨きが基本ですが、定期的に歯科医院でのプロケアを受けることをおすすめします。
特に、奥歯は溝が深く汚れがたまりやすいため、むし歯のリスクが高いのです。
当院では、子どもの奥歯のむし歯予防として、「シーラント」を行っています。
このコラムでは、シーラントのむし歯予防効果について、わかりやすく解説します。
神澤 紀雄 院長
日本大学松戸歯学部 卒業
「シーラント」は、歯科医院で受けることができるむし歯予防法の一種です。
ここからは、シーラントのむし歯予防効果を見てみましょう。
シーラントとは、奥歯の深い溝をシーラント材によって物理的に埋める治療法です。
シーラント材には、レジンという歯科用のプラスチックが使用されています。
シーラント材は白いプラスチックですので、奥歯の溝を埋めても、お口の中で目立つ心配はありません。
奥歯の溝は食べものが詰まりやすく、どうしても磨き残しが多くなる傾向があります。
この溝をシーラント材でふさぐことによって、むし歯を予防するのです。
シーラント治療は、麻酔を刺したり、歯を削ったり痛みをともなう処置はありません。
治療中の痛みはほとんどありませんので、小さなお子さまでも安心して受けることができるでしょう。
シーラントを行った歯は、4年で約60%のむし歯を減らすことができたというデータがあります。
参照:厚生労働省|e-ヘルスネット「シーラント(予防法)」>
ただし、シーラントは、奥歯の溝にできるむし歯を予防することはできますが、歯と歯の間にできるむし歯などを予防することはできません。
シーラントをすれば、すべてのむし歯が予防できるわけではないのです。
シーラントを行った歯も油断しているとむし歯になりますので、治療後も仕上げ磨きは念入りに行うようにしましょう。
また、シーラントはものを噛んだりするうちに、自然とすり減ってしまうものです。
むし歯の予防効果を持続させるためには、定期的に歯科医院でのチェックと再処置を受ける必要があります。
通院頻度は処置する歯やお口の状態によって異なりますので、歯科医師の指示に従いましょう。
子どもの乳歯や生えたばかりの永久歯は、大人の歯とくらべてむし歯になりやすい傾向があります。
なぜ、子どもの歯はむし歯になりやすいのでしょうか?
子どもの歯がむし歯になりやすい理由をみていきましょう。
歯の表面は、エナメル質という硬い層でおおわれています。
乳歯は、永久歯にくらべてエナメル質の層が薄いため、むし歯菌が作り出す酸に弱く、むし歯になりやすいのです。
また、エナメル質が薄いことで、むし歯が早く進行してしまいます。
「気づいたときには、むし歯が悪化していた」ということもめずらしくないため、定期的に歯科医院でむし歯をチェックしてもらいましょう。
甘いお菓子やジュースが好きなお子さまは多いでしょう。
お子さまが大好きな糖分ですが、むし歯菌も同じように大好きなのです。
特に、おやつをダラダラと食べていると、お口の中が酸性に傾く時間が長くなり、むし歯菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。
お菓子は時間を決めて食べる習慣をつけて、食べ終わったら歯磨きをするようにしましょう。
外出先で歯磨きができない場合は、ブクブクうがいでお口の中を洗い流すだけでも、むし歯のリスクを下げることができます。
小さいころから歯磨きの習慣を作ることは大切ですが、子どもの力だけで正しく磨くことは難しいでしょう。
特に、前歯の裏側や奥歯の溝は歯ブラシの毛先が当たりにくいため、むし歯になりやすいのです。
お子さまが自分で磨いた後には、仕上げ磨きで磨き残した部分の汚れを落とすようにしてください。
6歳臼歯はなぜむし歯になりやすいのでしょうか?
6歳臼歯は、乳歯の奥歯のうしろに生えてくる永久歯で、正式には「第一大臼歯」といいます。
一般的には6歳ごろに生えはじめることから、俗に「6歳臼歯」と呼ばれているのです。
この歯は、最初に生える永久歯であり、ほかの永久歯が生える基準となるため、歯列において重要な役割を果たします。
6歳臼歯は永久歯ですが、乳歯と同じようにむし歯になりやすいことが知られています。
6歳臼歯がむし歯になりやすい理由は、次の通りです。
・生えはじめたことに気が付きにくい
・生えはじめは歯ブラシの毛先が当たりにくい
・歯の溝が深く汚れがたまりやすい
6歳臼歯はお口の中で一番奥に生えてくるため、生えはじめたことに気が付きにくい傾向があります。
歯科検診で指摘されて、はじめて生えていたことに気づくこともめずらしくありません。
また、生えかけの時期は汚れがたまりやすい上に、歯ブラシも当たりにくいため、むし歯になりやすいのです。
6歳臼歯が生える時期には個人差がありますが、5~6歳ごろからお子さまのお口の中を注意深く観察するようにしましょう。
シーラントは、比較的短い時間でできる治療です。
ここからは、シーラント治療の具体的な流れを見てみましょう。
1.歯をクリーニングする
2.シーラントを接着させるための薬剤を塗る
3.歯の溝にシーラント材(レジン)を詰める
4.光を照射してシーラント材を固める
5.かみ合わせをチェックする
このように、シーラントは基本的に1回の治療で完了します。
治療後は、定期的に歯科検診を受けて、シーラントの状態をチェックすることが大切です。
また、硬いものを噛んだ際などにシーラントがはがれてしまった場合は、早めに再処置を受けるようにしてください。
シーラントは、お子さまの歯に詰め物をする治療法ですから、その安全性が気になる保護者の方は多いでしょう。
シーラントの危険性については、1996年に一部のレジン系シーラント材に含まれる成分の危険性が指摘されていました。
しかし、その後の研究によって、当時指摘された危険性はないということが確認されています。
参考:厚生労働省|e-ヘルスネット「シーラント(予防法)」>
現在、シーラントは安全性が高い治療とされており、多くの歯科医院で使用されているのです。
また、シーラントは飲み込んでしまったとしても、人体に影響はありません。
硬い食べものを噛んだ際にはがれることもありますが、歯についているシーラントは薄いものですので、お子さまが飲み込んでしまっても問題ないでしょう。
歯科医院で受けられるむし歯予防としては、シーラントのほかに「フッ素塗布」が一般的です。
この二つの違いや関係性をご紹介します。
シーラントは、歯の溝を物理的に埋めることで、おもに奥歯のむし歯を予防する治療法です。
一方、フッ素塗布は、フッ化物を歯の表面に塗布することでむし歯を予防します。
フッ素塗布のむし歯予防効果には、
・歯の再石灰化をサポートする
・歯のエナメル質を強化する
・むし歯菌の活動を抑える
などがあり、奥歯だけでなくすべての歯を対象としているため、お口全体のむし歯予防に効果的です。
シーラント材には、フッ化物が含まれています。
そのため、フッ化塗布と同じように奥歯の再石灰化をサポートしたり、むし歯菌の活動を抑えたりする効果が期待できます。
また、シーラントとフッ素塗布を組み合わせることで、むし歯の予防効果が高まることが知られているのです。
シーラントによってむし歯になりやすい奥歯を重点的に保護し、フッ素塗布によって歯全体のエナメル質を強化します。
この二つのケアの相乗効果によって、お子さまの歯をむし歯から守りましょう。
お子さまのすこやかな成長には、健康な歯が欠かせません。
お子さまの歯をむし歯から守るためにも、日々の仕上げ磨きにプラスして、歯医者でのシーラントやフッ素塗布をご活用ください。
加須市の【神澤歯科医院】は、親子3代にわたって地域のかかりつけ歯科医院として、多くの子どもたちの成長を見守ってきました。
当院では、お子さまのむし歯予防として、シーラントやフッ素塗布を提供しています。
院内はバリアフリー設計で、ベビーカーをご利用の方もそのままお入りいただけます。
東武伊勢崎線「加須駅」から徒歩2分、加須循環バス「加須駅南口停留所」からも徒歩2分とアクセスしやすい歯医者です。
駐車場は20台分完備しており、お車でもご来院いただけます。
WEB予約にも対応しているため、忙しい保護者の方でもスムーズに予約が可能です。
2024.02.15 [木]
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