こんにちは。
加須市の神澤歯科医院です。
歯周病は、歯ぐきや歯を支える歯槽骨に炎症が起こる病気で、進行すると歯が抜けてしまうこともあります。
なんと、日本人が歯を失う原因の4割近くを歯周病が占めているのです。
歯を失う原因の第一位である歯周病ですが、そこには歯周病の大きな特徴が関係しています。
歯周病は、初期段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行することが多い病気なのです。
このコラムをお読みの方の中にも、歯周病にかかっている方がいらっしゃるかもしれません。
歯周病から歯を守るためには、「早期発見・早期治療」が非常に重要です。
今回は、歯周病の治療についてわかりやすく解説しますので、気になる症状がある方は早めにご相談ください。
神澤 紀雄 院長
日本大学松戸歯学部 卒業
歯周病の治療は、大きく4つの段階にわけることができます。
歯周病治療は、お口の中の歯垢(プラーク)を除去することからスタートします。
歯周基本治療では、歯磨き指導、スケーリング(歯石除去)、修復物の修正、かみ合わせの調整を行います。
歯垢の除去(プラークコントロール)には、ご自宅での歯磨きがとても大切です。
歯科医院では、患者さまの歯磨きを確認し、より効果的なブラッシング方法をお伝えします。
また、デンタルフロスや歯間ブラシなどの清掃用具の使い方もお教えしますので、磨き残しやすい歯と歯の間などに活用しましょう。
歯石は、磨き残した歯垢が固まったもので、歯磨きでは落とすことができません。
そのため、歯科医院のクリーニングできれいに取り除く必要があります。
また、歯石の付いていた歯の表面には、細菌の毒素がしみ込んでいたり、溝ができていたりします。
スケーリングのあとには、歯の表面をきれいにする処置(ルートプレーニング)を行うのです。
むし歯治療で装着した被せ物や詰め物が歯にしっかりと合っていない場合、歯との境目に細菌がたまりやすくなります。
そこから再び歯周病にかかってしまう可能性があるため、適合していない修復物は取り除き、修正する必要があるのです。
歯周病が進行している場合、歯並びが乱れていることがあります。
かみ合わせが悪いと、歯を支える歯ぐきや歯槽骨に大きな負担がかかり、歯周病の進行を早める原因になります。
そのため、特定の歯に負担がかからないように、かみ合わせの調整が必要です。
歯周基本治療を行っても歯周病が改善しない場合、歯周ポケットの深いところまで歯石が入り込んでいることがあります。
深い歯周ポケットの歯石を取り除く治療が歯周外科療法であり、いわゆる「外科手術」です。
歯周外科療法では、歯ぐきをメスで切り開き、スケーラーが届かない部分の歯石を取り除きます。
しっかりと麻酔が効いた状態で処理しますので、手術中の痛みはほとんどありません。
また、当院では「電動麻酔器」によって、麻酔時の痛みを抑えることが可能です。
歯周基本治療や歯周外科治療によって歯周病が改善したあとには、お口の機能を回復させる「口腔機能回復治療」を行います。
歯周病の進行によって失った歯を入れ歯やインプラントなどの義歯で補い、噛む力や発音の機能を改善します。
歯周病治療後も、歯科医院での定期メンテナンスが必要です。
定期的に歯石除去や歯面清掃などのメンテンナンスを受けた人は、受けなかった人にくらべて、5年間で失う歯の本数が約4分の1であったという調査結果があります。
定期的に歯科医院を受診する習慣をつけて、歯周病の再発を防ぎ、健康な口腔環境を維持しましょう。
ここからは、歯周病治療の流れを見てみましょう。
最初に歯周病の有無、進行度のチェックを行います。
歯周プローブという器具を使って歯周ポケットの深さを測定し、歯のぐらつき度合いをチェックします。
また、レントゲン撮影を行い顎の骨の状態を確認することも重要です。
歯周病と診断された場合、まずは歯周基本治療を行います。
ブラッシングやスケーリングによって、歯に付いた歯垢や歯石を取り除きます。
治療効果の判定のために、再び歯ぐきの検査を行います。
歯ぐきの炎症が治まり、プラークコントロールが良好であれば歯周病治療は終了です。
再発を防ぐためにメンテナンスに移行しましょう。
しかし、治療効果が不十分の場合には、追加の治療(歯周外科治療)が必要です。
歯周基本治療だけでは歯周ポケットが改善しない場合は、歯周外科治療を行います。
歯周病によって歯を失ってしまった場合は、口腔機能回復治療を行います。
入れ歯やブリッジ、インプラントといった治療によって、失った歯を補う治療です。
治療が終わったあとも歯周病の再発を防ぐために、定期的なメンテナンスを受けましょう。
メンテナンスの頻度は、お口の状態によって患者さまごとに異なります。
検診時に次回の予定をお伝えしますので、忘れずに受診するようにしてください。
歯周病は、進行具合によって「歯肉炎」「歯周炎」に分類されます。
歯周病の進行度別の治療法を見てみましょう。
「歯内炎」は、初期の歯周病の症状です。
この段階では、炎症が歯と歯ぐきの境目に限られており、歯ぐきが腫れたり出血したりします。
歯肉炎は早期に発見し歯垢を取り除くことで、健康な状態に戻すことが可能です。
「歯周炎」は、歯肉炎がさらに進行した状態です。
この段階では、歯と歯ぐきの間の炎症がさらに広がり、深い歯周ポケットが形成され、歯槽骨にもダメージが出てきます。
歯槽骨へのダメージが「歯根の長さの3分の1以下」までにおさまっている状態を「軽度周囲炎」と呼びます。
軽度歯周炎であれば、ブラッシングやスケーリングなどの歯周基本治療のみで症状が改善する症例がほとんどです。
炎症がさらに広がり、歯槽骨が「歯根の長さの3分の1~2分の1」まで破壊された状態が「中等度周囲炎」です。
この段階では、歯周基本治療に加えて、歯周外科治療が必要になる場合があります。
歯槽骨が「歯根の長さの2分の1以上」破壊されている状態を「重度歯周炎」と呼びます。
ここまで炎症が広がってしまうと、歯槽骨はボロボロ、歯はグラグラの状態です。
治療には歯周外科治療や口腔機能回復治療が必要になることがほとんどでしょう。
治療期間も長くなる傾向がありますので、ここまで症状が悪化する前に治療することが重要です。
【神澤歯科医院】では、歯周病治療に「レーザー治療器」を活用しています。
レーザー治療器は、光のエネルギーを利用して組織を切開したり、殺菌したりする医療装置です。
レーザーには高い殺菌効果があるため、より効率よく歯周病菌を取り除くことができます。
また、治療中の痛みも少なく、「キーン」という歯科治療独特な音も発生しないため、患者さまの負担軽減につながるのです。
レーザー治療器を活用した歯周病治療のメリットを3つ紹介します。
通常の歯周病治療では、スケーラーと呼ばれる器具を使って歯石を除去します。
しかし、歯周ポケットが深い場合、スケーラーは物理的に届きません。
一方、レーザーであれば歯周ポケットの奥深くや、複雑な形状の歯周ポケットの中まで治療が可能です。
レーザー治療のメリットの一つに、治療中の痛みや出血が少ないという特徴があります。
「歯科治療は痛い」というイメージをお持ちの方には、特にレーザー治療器による歯周病治療がおすすめです。
レーザー治療器には、治療した組織の回復を促進させる効果があります。
また、治療中の出血を抑えることで感染のリスクが減って、治療後の経過がよくなるのです。
歯周病菌の効率的な除去と治療後の回復が早いことによって、治療期間の短縮につながります。
歯周病の治療は、可能な限り早くはじめることが重要です。
歯ぐきの腫れや出血など、気になる症状がある方はお早めにご相談ください。
加須市の【神澤歯科医院】では、モニターを使用した丁寧な説明を心がけています。
「歯科用口腔内カメラ」によってお口の中を撮影することで、歯の状態を目でみて治療効果を実感してもらう工夫を行っています。
当院は、東武伊勢崎線「加須駅」から徒歩2分、加須循環バス「加須駅南口停留所」からも徒歩2分とアクセスしやすい歯医者です。
駐車場を20台分完備しており、WEB予約にも対応しています。
院内はバリアフリー設計となっておりますので、すべての世代の方から安心してご来院いただけます。
2024.10.16 [水]
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