むし歯や歯周病の原因であるバイオフィルムとは?「EMSエアフロー」によるクリーニング
毎日しっかり歯磨きをしていても、むし歯や歯周病になってしまうことがあります。
その原因の一つとして知られているのが、「バイオフィルム」です。
バイオフィルムは、細菌が集まり膜状に固まったもので、歯の表面や歯と歯ぐきの境目などに付着します。
バイオフィルムは、日常のケアだけでは落としにくく、歯科医院でのクリーニングが重要です。
このコラムでは、「バイオフィルムの特徴」と当院で採用している「EMSエアフローによるクリーニング」についてご紹介します。
神澤 紀雄 院長
日本大学松戸歯学部 卒業医院名:神澤歯科医院
所在地: 〒347-0045
埼玉県加須市富士見町7−41
バイオフィルムは細菌が膜状に固まったもの

バイオフィルムという言葉は、あまり聞き慣れないかもしれません。
しかし、生活の身近な場所にバイオフィルムは存在しており、誰でも一度は目にしたことがあるでしょう。
たとえば、台所や風呂場などの水回りに見かける、ぬるぬるした汚れを思い浮かべてください。
あのぬめりもバイオフィルムの一種であり、細菌が集まってできた汚れです。
じつは、お口の中でも同じような現象が起こっています。
歯の表面や歯と歯ぐきの境目には、細菌が集まって膜状のかたまりを作ることがあります。
この汚れが、お口の中にできるバイオフィルムです。
バイオフィルムの中は細菌の温床
バイオフィルムとは、細菌が集まってできた粘着性のある膜状の物質です。
お口の中のバイオフィルムは、歯の表面や歯と歯ぐきの境目などに形成されやすく、バイオフィルム内は多くの細菌が含まれます。
バイオフィルムのもとになる歯垢(プラーク)の中に含まれる細菌は、1mgあたり1億個以上です。
バイオフィルムがお口の中に残った状態が続くと、細菌が増殖してしまい、むし歯や歯周病のリスクが増加することがあります。
お口の健康を守るためには、バイオフィルムをためないケアが大切です。
(参考:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「プラーク/歯垢」)>
バイオフィルムと歯垢・歯石との違いは?
歯の汚れとしてよく知られているものに歯垢(プラーク)と歯石がありますが、バイオフィルムと歯垢、歯石は、それぞれ特徴が異なります。
●歯垢(プラーク)
歯垢のことを食べかすだと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、じつは別のものです。
歯垢は、お口の中で増殖した細菌とその代謝物が固まってできます。
歯垢がたまりやすいのは、「歯と歯の間」や「歯と歯ぐきの間」、「奥歯の溝」など歯ブラシの毛先が届きにくい場所です。
お口の中に歯垢が残った状態が続くと、細菌同士が膜状の構造を作ることで、バイオフィルムが形成されます。
バイオフィルムは、歯垢よりも粘着性が強く、通常の歯磨きでは落としにくい場合があります。
●歯石
歯石は、歯垢に唾液中のカルシウムやリン酸などが沈着して固まったものです。
歯石の表面はザラザラした質感であり、汚れや歯垢が付着しやすい特徴があります。
歯の表面に歯石が付着してしまうと、歯磨きだけではなかなか取り除けません。
歯石を除去するためには、歯科医院にて専用の器具を用いたクリーニングを受ける必要があります。
バイオフィルムとむし歯・歯周病の関係
むし歯や歯周病の原因は、歯や歯ぐきの周辺で増殖した細菌です。
バイオフィルムがお口の中に長く残ると、むし歯や歯周病の原因菌が増えやすくなります。
むし歯は、細菌が糖分を分解して酸を作り、その酸が歯を溶かすことで進行します。
また、歯周病は、「歯と歯ぐきの境目」に細菌が増えることで歯ぐきに炎症が起こる病気です。
炎症によって歯周ポケット(歯と歯ぐきのすき間)が深くなると、バイオフィルムがさらにたまりやすくなり、歯周病の進行が早まるでしょう。
むし歯と歯周病を合わせると、歯を失う原因の約3分の2を占めるとされています。
健康な歯を保つためには、バイオフィルムをできるだけ蓄積させないことが大切です。
(参照:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「歯の喪失の原因」)>
バイオフィルムを落とすのが難しい理由

バイオフィルムが一度歯に付着すると、歯磨きだけでは取り除きにくいことがあります。
歯ブラシの毛先が届きにくいところに付着する
バイオフィルムは、歯の表面だけでなく、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目など、歯ブラシの毛先が届きにくい場所にも付着します。
特に、「歯と歯ぐきの境目」にある歯周ポケットの内部は、バイオフィルムができやすい場所です。
歯周病によって深くなった歯周ポケット内にバイオフィルムが形成されると、歯磨きだけで取り除くことは難しくなります。
唾液、洗口剤による洗浄効果が低い
唾液には、お口の中を洗い流す作用がありますが、バイオフィルムにはその効果が十分に届かない場合があります。
バイオフィルムは、細菌が膜を作って固まっており、表面がぬるぬるしています。
このぬめりがバリアのように働くため、唾液の洗浄効果が弱まってしまいます。
また、お口の洗浄に役立つ洗口剤には、歯周病菌などを殺菌できる成分が含まれています。
しかし、バイオフィルムの内部には、洗口剤の有効成分もうまく届かないため、洗浄効果はあまり期待できません。
このように、バイオフィルムが一度できてしまうと、セルフケアだけで取り除くことは困難です。
毎日の丁寧な歯磨きに加えて、歯科医院のクリーニングによって、機械的にバイオフィルムを取り除く必要があります。
歯科医院の予防・クリーニングの役割
歯科医院では、セルフケアでは取りきれない汚れを専門的な器具や装置を用いて除去します。
当院では、歯科用口腔内カメラや診療台のモニターを活用し、患者さまご自身に歯の状態を確認してもらっています。
処置の前後でお口の中の状態を確認することで、クリーニングの効果を実感しやすくなり、ケアのモチベーションアップにもつながるでしょう。
スケーリング

スケーリングは、歯の表面や歯ぐきの周囲に付着した歯石を除去する処置です。
歯石は歯垢が硬く固まったもので、歯ブラシでは取り除くことができません。
「スケーラー」と呼ばれる専用の器具を使用して歯石を削り取ることで、硬い歯石を取り除くことが可能です。
クリーニング

歯科医院で行うクリーニングでは、歯磨きでは取り除きにくい細かい汚れや、歯の表面の着色汚れを丁寧に洗い落とします。
コーヒーやお茶などによる着色がある場合でも、専用の器具と薬剤を使用して歯本来の白さに近づけることができるのです。
また、クリーニング後は歯の表面がなめらかになることで、歯に再び汚れが付着しにくくなる効果も期待できます。
定期的に歯科医院のクリーニングを受けることで、お口の中を清潔な状態に保つことにつながるでしょう。
PMTC

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯科医師や歯科衛生士が行う、機械を用いた歯の清掃方法です。
歯の表面や歯周ポケット内の歯垢や歯石、バイオフィルムも専用の機械を使って丁寧に取り除きます。
歯ブラシでは届きにくい部分の汚れも徹底的に取り除くことで、むし歯や歯周病を予防します。
「EMSエアフロー」によるクリーニング

当院では、バイオフィルムや歯石などを効率よく取り除く方法として、「EMSエアフロー」を使用したクリーニングを提供しています。
EMSエアフローとは?
EMSエアフローは、微細なパウダーと水流を利用して、お口の中を清掃する機器です。
専用のパウダーを歯に吹き付けることで、歯の表面はもちろん、歯磨きでは落としにくい歯と歯の間や歯周ポケットの奥に付着した汚れを効率的に取り除くことができます。
EMSエアフローで落とせる汚れには、歯垢(プラーク)や歯石だけでなく、バイオフィルムも含まれます。
歯ブラシや従来の器具では取り除きにくい細かな汚れにも対応しやすく、歯の表面や歯ぐきを傷つけにくい点が特徴です。
EMSエアフローのメリット
EMSエアフローには、いくつかの特徴があります。
・歯磨きでは落としにくい歯石やバイオフィルムを除去できる
・歯周ポケットの奥の汚れにも届きやすい
・歯や歯ぐきを傷つけにくい
・歯の表面の着色汚れも取り除ける
・比較的短時間で効率的に清掃できる
EMSエアフローは、パウダーと水流を使用することで、細かな部分の汚れにもアプローチしやすい点がメリットの一つです。
また、クリーニング後は歯の表面がとてもなめらかに整うことで、汚れが再付着しにくい状態に仕上がります。
EMSエアフローは、メリットの多いクリーニング方法ですが、歯ぐきに強い炎症がある方や喘息などの呼吸器疾患をお持ちの方は使用できないケースがあります。
クリーニング前にしっかりと説明を行いますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。
当院の歯科検診でお口を清潔に保ちませんか?

むし歯や歯周病の原因となるバイオフィルムは、一度形成されるとセルフケアだけで取り除くことが難しくなります。
バイオフィルムから歯を守るためには、丁寧な歯磨きに加えて、歯科医院で定期的なクリーニングを受けることが重要です。
当院では、診療台に備え付けのモニターや歯科用口腔内カメラを活用することで、現在のお口の状態をわかりやすく説明し、患者さまに適したクリーニング方法をご提案いたします。
「EMSエアフロー」を用いたクリーニングも行っていますので、ぜひお口の健康維持にご活用ください。
当院は、地域の「かかりつけ歯科医院」として長く通いやすい環境づくりに力を入れており、WEB予約や各種クレジットカード決済にも対応しております。
